White Wolf atelier THiRD
ワールド・オブ・ダークネス
メイジ:ジ・アセンション だったらできることをやるしかない。道の果てるまで。
ヴァンパイア 『メイジ:ジ・アセンション』のキャラクターは、メイジ、つまり魔法使いだ。しかしこの魔法使い、コンピューターRPGに登場する「魔法使い」との間には大きな差がある。

メイジは、世界の真の姿を知り、その有り様に直接干渉できる。メイジが意志の力を振るえば、物は下に落ちず、虚空から火の玉が現れ、拳は岩を穿ち、銃弾は数キロ先のリンゴを打ち抜く。物が下に落ちるのは普遍的にはたらくひとつの魔法にすぎず、重力を司る精霊に命ずるなり、反重力プラズマエンジンを作るなりすれば、重力の法則は書き換えられるものなのだ。

だが、世界そのものを変えてしまえるメイジといえども、万能ではない。世界には大衆が信じる現実像(=共通認識)があり、共通認識に逆らう魔法は矛盾と呼ばれるバックファイアを発生させる――それゆえに、世界の共通認識に自分の魔法を組み入れようと、メイジたちは互いに戦ってきた。人類が火を見いだし、信仰に培われた芸術を生み出し、時に「異端者」を焼き、そして科学技術が世界を繋いだのは、その戦いの軌跡だ。

そしていま、戦いは新しい局面に移行した。「現実」から見てとれるように、科学という名の魔法を使うメイジたちが世界の共通認識をほぼ完全に掌握し、ゲーム参加者がプレイするメイジたちが奉じる伝統的な神秘主義やファンタジーは死んだ。結果、人類はドラゴンに脅えなくともよくなったが、空想を生み出す自由な心も失われた。そして安全を確約された人類は現実に飽食し、科学技術を奉じるメイジたちがもたらそうとしていた理想の未来に対して拒絶反応を示すようになった。戦争は、廃墟だけを残し、勝者なく終わったのだ。

それでもメイジに絶望は許されない。硬直し腐敗と破綻を待つ世界で、世界を変える力を持つ者が希望を失ってはならない。その「よりよい明日を」という希望が、自らが世界を導くという傲慢を生み、今日の荒廃を招いたのかもしれない。しかしいまや希望こそが、数少ない可能性だ。希望の火を消さない――それが力を持つ者の義務なのである。



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