White Wolf atelier THiRD
ワールド・オブ・ダークネス
ヴァンパイア:ザ・マスカレード 人間でなくなってはじめて、人間であることの意味を知る。
ワーウルフ 『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』において、ゲーム参加者が用いるキャラクターはことごとく血族と呼ばれるヴァンパイアである。

血族は独自の社会を構築し、人間社会を影から操っている。血族たちの様々な派閥は利権と優越を求めて世紀を越える抗争を繰り広げ、歳経た強大なるヴァンパイアは若い同族を抑圧し、あらゆる階層で陰謀と暴力が錯綜している。陰謀が陰謀を、復讐が復讐を呼び、闘争そのものが目的となったかのような世界で、それでも若き血族たちは自由という理想を、権力という階梯を、世界の秘密を、放埒な情熱と怠惰を追い求める。

そしてまた、自らの永遠を維持するために他者の血を奪い、その無限のなかで己の欲望を追い求める彼ら血族は、その身中に“獣”と呼ばれる異質な「何か」を飼う。“獣”は血族に破壊的な衝動を吹き込み、血への渇きをかき立てる。“獣”の叫びに屈すれば血族は文字通り怪物と化し、あらゆる人間的なるものは消
え失せるのだ。“獣”を抑制する方法はただひとつ、他者の血を奪い、その暖かな甘露を味わうことだ――かように怪物的な行いを通してしか、血族は自らが完全なる怪物に出してしまう危険を回避できない。

ある意味、血族は人間よりも人間的だ。人間は、自由を讃えつつ自由とは他者の自由を剥奪することによって最も効率的に獲得できることを知り、博愛を唱えつつその口は他の生命の成果を搾取することによってしか糊せない。だが血族は、人間ならば日常なるもので隠蔽してしまうこの事実を直視し、折り合いをつけざるを得ないのだ。

では、血族はどのように現実と折り合っていくべきなのか? 『ヴァンパイア』はこの疑問には答えてくれない。血族の有り様に、正解はない。その答えを探し実践し、必然的に味わうであろう膨大な数の挫折と失意と僅かな成功の先に何を見いだすか――それが『ヴァンパイア』をプレイする楽しみといえるだろう。
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