 |
 |
1991年、アメリカでひとつの世界が誕生した――
それが「暗黒の世界(ワールド・オブ・ダークネス)だ。
ロールプレイングゲーム『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』の背景世界としてホワイト・ウルフ(White Wolf)社が設計したこの世界は、外見的には現代風のダークなパラレル世界である――つまり、ゴシック風の物々しい摩天楼がひしめきあい、空は暗く澱み、ストリートはけばけばしいネオンに塗りつぶされ、犯罪と汚職は日常の一部となり、貧富の差は拡大し、パンクと無気力が共存する、そんな世界だ。
だが暗黒の世界は、単に「より悪くなった現代」なだけではなかった。吸血鬼や狼男、魔法使いに死霊、妖精やミイラや悪魔その他の「伝説上の存在」が社会の影に潜んでおり、人間社会を影から操っているのだ。
|
暗黒の世界は一種のシェア・ワールドとして、様々なゲームで共有されている。
現在のところ、吸血鬼の一員となって血塗れの陰謀劇や愛憎劇を繰り広げる『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』、人狼となり宇宙的邪悪と戦う『ワーウルフ:ジ・アポカリプス』、現実そのものを変容させる力を持った魔術師となる『メイジ:ジ・アセンション』、亡霊となってさまよう『レイス:ジ・オブリヴィオン』、現代の妖精『チェンジリング:ザ・ドリーミング』、彼ら超常生物を狩る『ハンター:ザ・レコニング』、暗黒の世界のファンタジックな超過去(あるいは超未来)を描く『イグゾルテッド』、地獄から地上に舞い戻った堕天使として暗躍する『デーモン:ザ・フォールン』が発表されている。
暗黒の世界はテレビドラマや小説にも取り入れられており、ゲームの枠を超えて幅広いファンの支持を集めている。 |
 |
 |